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M&A(税理士事務所)
公開日:2024/01/18 更新日:2024/01/18
税理士事務所のM&A・事業承継とは?メリット・デメリットや注意点を詳しく解説
近年、税理士事務所のM&A(合併と買収)が積極的に行われており、事業承継も活発になっています。
デメリットを補って余りあるほどのメリットがあるのであれば、税理士事務所のM&Aや事業承継を行う意味があります。
この記事では、税理士事務所のM&Aや事業承継について説明し、どんなメリットやデメリットがあるか、どんな点に注意すればよいかについて解説します。
これから税理士事務所のM&Aや事業承継を検討している方に役立つ内容になります。
税理士事務所業界について
まずはじめに、税理士事務所についてや税理士事務所業界の特徴をおさらいしていきます。
税理士事務所とは?税理士法人や会計事務所との違い
税理士事務所とは税理士が個人事業主として運営する事務所のことを言います。税理士が一人で運営する事例も多いですが、従業員やパートタイムのスタッフを雇って少人数〜大人数で運営しているケースもあります。
税理士事務所とよく混合されるものに税理士法人や会計事務所があります。
税理士法人は2人以上の税理士が共同で設立した法人であり、この場合は個人事業主の税理士事務所とは異なります。
また、会計事務所は会計や税務のサービスを提供する事務所の総称として使われます。税理士が設立する事務所の正式名称は「税理士事務所」と法で定められていますが、会計事務所は法律で定義されておらず、税理士業務の他に会計サービスやコンサルティングなどのサービスを提供している場合に会計事務所と称している傾向にあります。
税理士事務所のM&A・事業承継とは?現状と動向
M&Aとは企業の合併買収のことで、売却側と買収側の企業が話し合うことで買収・合併・分割のいずれかの方法で協議を進めていきます。
細かく分類するなら、一般的には以下のようなM&Aを行っていきます。
- 株式取得
- 事業譲渡
- 吸収合併
- 新設合併
- 新設分割
- 吸収分割
そして事業承継とは、会社の経営権を後継者に引き継いでもらう方法です。
とはいえ、意味合いとしてはそこまで大きな違いがなく、事業承継の手段としてM&Aが行われるものだと言えるでしょう。
税理士事務所のM&Aおよび事業承継の現状と動向を知る上で押さえておきたいのは、以下の通りです。
- 中小規模の税理士事務所が多いこと
- 経営者の高齢化
- 報酬水準の低下
- 顧客数の減少による収益の確保が難しくなっていること
- 買い手企業による経営戦略(成長戦略)・事業継続計画
全体的に中小規模の税理士事務所が多い傾向にあるため、大手事務所と比べると報酬水準も大きく違います。
また、少子高齢化によって若手の税理士や会計士が不足していることと、経営者の高齢化によって後継者問題が深刻になっている傾向にあります。特に中小規模の税理士事務所は報酬水準の低下によって事務所存続の危機に晒されていることも多く、経営戦略の一環として買い手企業がシェア拡大を図るためにM&Aや事業承継を計画する傾向にあるのが現状です。
買い手企業がM&Aや事業承継を経営戦略や事業継続計画に組み込むことによって、有能な事務所を廃業させることなく成長戦略が図れるのが大きなポイントです。効率良くシェア拡大や存在感の強化等ができれば、大きく成長できるでしょう。
詳細は税理士事務所M&A市場の動向と今後の展望まで徹底解説の記事をチェックするのがおすすめです。
税理士事務所のM&A・事業承継のメリット
M&Aや事業承継は売却・譲渡側と買収・譲受側にメリットがあるので、どんなメリットがあるのかチェックすることが大切です。
税理士事務所のM&Aや事業承継を行うメリットについて説明します。
売却・譲渡側のメリット
売却益・譲渡益が得られる
M&A・事業承継を行うことによって売却益が得られるのがメリットです。
まとまった売却益を得ることができれば、経営者を引退した後の生活に充てたり、新規ビジネスを始めるときの資金にできます。
経営ノウハウが活かせる新規ビジネスが成功すれば、前職以上に利益が得られる可能性があるでしょう。
従業員の雇用状態が変わらない
もしも税理士事務所が廃業するようなことがあれば、雇用している従業員を解雇しなければなりません。
しかし、M&A・事業承継であれば、変わるのは一般的に経営者だけなので従業員の雇用には影響を与えないのが大きなメリットです。雇用に影響がなければ優秀な税理士や会計士、その他のスタッフを解雇させる必要性がないため、安心してM&A・事業承継ができます。
ただし、M&A・事業承継を行った後の雇用をどうするかはM&A・事業承継先の経営者に委ねられるので、手放しに喜ぶのはまだ早いでしょう。
交渉や契約時に従業員の雇用に関してしっかりと話し合い、雇用が継続されるのか、相手の意向を確認し、その内容を契約書に盛り込んでもらうようにしましょう。
後継者問題が解決できる
M&A・事業承継の最大のメリットとして挙げられるのは、後継者問題が解決できることです。
税理士事務所や会計事務所は業務の性質上、税理士や会計士でないと後継者になることができません。とはいっても親族に税理士や会計士がいる可能性は低く、このままでは廃業に追い込まれてしまう可能性があります。
しかし、M&A・事業承継であれば後継者を探すことができるので、有益な方法だと言えるでしょう。もちろん税理士業界は平均年齢が高いため、今後も長期的に経営していきたいなら、若くて優秀な後継者を見つけることが必要です。
顧客に迷惑をかけない
M&A・事業承継を行うことで、顧客に迷惑をかけないことも大きなメリットです。
もしも税理士事務所を廃業することになれば顧客は一時的に税理士不在の状況になったり、また一から税理士を探さなければなりません。
M&A・事業承継であれば引き続きサポートが出来るため、これまでお世話になってきている顧客に迷惑をかけにくくすることができます。
事務所やリース契約(複合機や業務ソフトなど)その他の事業上必要な負債を引き継いでもらえる可能性がある
M&A・事業承継を行う際にどんな負債があるのか確認する必要性がありますが、事務所やコピー機、業務ソフトなどのリース契約など、その他の事業上必要な負債を引き継いでもらえる可能性があります。
事業上どうしても必要になる負債なので、事前にしっかり必要な負債があることを伝えた上で譲渡ができます。
買収・譲受側のメリット
優秀な人材が獲得できる
買収・譲受側がM&A・事業承継を行うことによって、優秀な人材が確保できるのがメリットです。
優秀な人材を確保するだけなら新規雇用で人材を育成する方法もありますが、一から人材を育成するとなると教育コストや時間、手間がかかってしまいます。また税理士資格をもった人材を探し出してきて獲得するのも非常に困難です。M&A・事業承継によって業務経験が豊富な即戦力となる人材がすぐに雇用できるのは人手不足のこの業界ではとても大きなメリットとなります。
その上で若い人材が確保できれば、長期的に活躍してくれるでしょう。
顧問先やクライアントが獲得できる
M&A・事業承継で税理士事務所や会計事務所を買収することによって、売却側が契約しているクライアントが獲得できるのも大きなメリットです。
新たなクライアントを見つけるのはとても大変ですが、M&A・事業承継によってスムーズにクライアントが獲得できるのでコストがかかりません。またクライアントとの契約は基本的に継続性のある契約なので、将来にわたり売上や利益に繋がることが見込めます。
もちろん事前にクライアントにしっかり説明して、今後も仕事を依頼してくれる状態にすることもポイントです。。
税理士事務所でM&A・事業承継を行う売り手側のデメリット
税理士事務所のM&A・事業承継のデメリットは、譲渡価格や手数料が期待通りにはならない可能性があることです。
基本的にM&A・事業承継を行うときは譲渡側と譲受側で複数回にわたって話し合いを重ねる必要性があります。特に譲渡価格を決めるときは税理士事務所の価値に応じた価格にしなければなりませんが、事務所の価値を想定より低く評価され、譲渡価格が低くなることもありえます。
さらに、場合によっては仲介業者に対する手数料が高額になることもあるため、トータルで見るとそこまで大きな譲渡利益につながらない可能性があります。
また、M&A・事業承継を行うことで経営者が変わると、その後の経営方針の変更によって従業員が混乱してしまう可能性があるのもデメリットです。
M&A・事業承継を行っても経営方針が変わらないのであれば安心して働けますが、経営者が変わっただけでも多少なりとも影響があるのに、その上で経営方針や文化、働き方まで変更されるとついていけなくなる可能性もあります。
税理士事務所のM&A・事業承継を行う売り手側の注意点やポイント
税理士事務所のM&A・事業承継の注意点やポイントは、以下の通りです。
- 早い時期からM&A・事業承継の準備をする
- 顧客との契約が打ち切られる可能性がある
- M&A・事業承継の的確な手法を選ぶ
それでは、税理士事務所のM&A・事業承継の注意点やポイントについてご説明しましょう。
早い時期から準備をする
M&A・事業承継をスムーズに行うためにも、売り手は早い時期から進めることが大切です。
いきなりM&A・事業承継をしてしまうと下記の様なトラブルが続出しやすくなります。
・さまざまな法的手続きが間に合わない
・顧客が不安に感じてしまう
・サポート面やフォローが不安定になる・スケジュールが噛み合わない
M&A・事業承継が完了するまで数ヶ月かかるのが一般的なので、早い段階から準備を進めていきましょう。
M&A・事業承継を行った後の契約条件や対応面のすり合わせや、担当が変更されたときにアナウンスをしたり、顔合わせをするためのスケジュールを組んだり、引き継ぎを行っている最中のサポートやフォローなどをどうしていくのか決めることが大切です。このあたりのことは譲渡に関する協議を進めていく中で、仲介会社や買い手と話し合い、進めることも可能です。
従業員と不安を与えないように話し合う
税理士本人に信頼を寄せていた場合、M&A・事業承継によってこれまで担当していた税理士が引退してしまうと最悪の場合、退職される可能性がある点も注意しておきましょう。
M&A・事業承継が実行される前に、在籍している税理士や会計士、スタッフと話し合って、今後も安心して働くことができると感じてもらえるように丁寧にコミュニケーションをすることが大切です。
但し、譲渡について検討段階や協議段階で伝えても不安にさせるリスクが大きいので、ある程度大きな方針が確定したり、譲渡に関する基本契約が締結された後にコミュニケーションを行うのが一般的です。
クライアントだけではなく従業員に対しても不安を与えないように丁寧に説明し話し合う機会を設けましょう。
M&A・事業承継の的確な手法を選ぶ
M&A・事業承継を行うときは、自分の税理士事務所に合った的確な手法を選ぶことが大切です。
M&A・事業承継には主に買収、売却 合併の3種類があります。
買収は買い手が売り手の経営権を買収したり事業や顧客を譲受したりする手法です。自身の事業母体を基盤として、後継者(税理士)を外部から招き、事業を継続させたい場合はこの方法が考えられます。
売却は売り手が自社の経営権を売却したり顧客等を引き継ぐ手法です。税理士事務所の事業承継に関してはこの方法が最も一般的です。
合併は複数の会社が一つになることです。税理士事務所の事業承継の方法としてはあまり一般的ではありませんが、屋号などを残したい場合など特殊事情がある場合には合併という体裁を取る場合も考えられます。
以上のようにM&A・事業承継の手法はそれぞれさまざまな特徴があるので、自分の事務所に合った最適な手法を選ぶことが大切です。
まとめ
税理士業界は高齢化が加速しており、若い税理士や会計士が不足している状態です。
税理士事務所同士の価格競争が激化する可能性が高く、さらに後継者問題もあります。これらの問題を解決するためには、M&A・事業承継を行うという経営戦略や事業戦略を検討する必要性があるでしょう。
税理士事務所を廃業させないため、そして発展させるためにも、自社にとってベストな譲受企業や譲渡企業を探すことが重要です。