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不動産の相続
公開日:2019/04/19 更新日:2023/05/26
相続不動産の評価方法を紹介!土地と建物の評価額計算のポイント
不動産相続をする上で、その評価額は非常に気になるポイントです。売却できる不動産なら、相続税が発生しても支払えるかもしれませんが、売却できない不動産なら、相続税を自腹で支払わなければなりません。そこで不動産の評価方法、つまり、土地と建物の評価額計算の方法について、調べてみました。
不動産の相続税評価額の計算方法
土地なり、建物なり、不動産の評価額をチェックすることができるサービスはいろいろあります。しかし、相続に関しては、定められた不動産の評価方法を使用して価値を計算します。
不動産の相続税評価額の計算方法は、土地・建物の大きく2つに分けられ、それぞれ用途などによって、計算方法が異なります。
なお、不動産以外も含めた相続税の基礎控除額については、『相続税の基礎控除とは?計算方法や贈与を無駄にしない対策を紹介』をご覧下さい。
土地の相続税評価額の計算の2つの方式
土地の相続税評価額は土地の時価が評価額となります。
時価の算出方法は国税庁が設定している路線価により評価する「路線価方式」と、固定資産税評価額を元に評価する「倍率方式」があります。
また、土地の評価額については土地を貸している場合や貸家を建てている土地の場合などは、借地権割合に応じて借地権割合分、建物と同様に評価額が減額されます。
路線価方式
路線価方式は国税庁が毎年7月に、その年の基準として公表する「路線価(1平方メートルあたりの土地の価格)」に、土地面積を乗じて評価額を計算します。
路線価は道路ごとに価格が決められていることから「路線価」と呼ばれています。
路線価の確認方法
路線価については、国税庁が「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」にて公表していますので確認してみましょう。
主要道路に面しておらず、路線価がわからない場所に対しては、同じページから見られる評価倍率表を見ると分かります。
基本的に路線価方式では「路線価 ✕ 土地面積」で算出されますが、土地の形状などに奥行価格補正などといった補正が入る場合もあります。
路線価を使い土地の評価額の計算してみる
ここで、路線価を使った評価額の計算方法をご紹介します。
そのためには、地積、つまり土地の面積が正確に分かっている必要があります。
土地の面積が正確に分かっている場合を想定して、計算してみましょう。
計算方法は、路線価×地積です。
相続税評価額の計算
・路線価190,000円
・地積100㎡
190,000×100㎡=19,000,000円
路線価図を使った評価は難しい
相続に関する財産の計算は、故人が亡くなった日の価値で算出しなければなりません。
そのため、サイトには過去数年間の路線価図も掲載されています。
ですが、路線価図には普段私達が目にすることのない、非常に複雑な記号が記載され、大変わかりづらくなっています。
また1㎡あたりと言っても、自分で購入した土地ではなく、先祖から引き継いできた古い土地などは、広さが分からないことも多いですよね。
また土地はきれいな平面をしているとは限りません。
長方形の土地を買ったつもりでも、よく見るとゆがんだ四角形だったりもします。
そういった点からも、路線価図を見ただけでは、土地の評価をすぐに判断することは少々難しいでしょう。
そんな時は、相続に強い税理士に相談することで、土地の評価を知ることができます。
二次相続などの不安がある場合、早めに相談しておくと安心です。
路線価が設定されていない土地
路線価が設定されていない土地に関しては、【倍率方式】を使用します。
次に、倍率方式について説明します。
倍率方式
路線価はすべての土地に定められているわけではなく、路線価が定められていない地域については固定資産税評価額を基礎として、評価額を算定します。
この際、固定資産税評価額をそのまま利用するのではなく、一定の倍率をかけたものを評価額とすることとなっています。
こうして算定する評価額のことを「倍率方式」といいます。
評価倍率の確認方法
倍率方式で利用する倍率は、「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」にて評価倍率として公表されています。
まず倍率をチェックし、さらに各市区町村や都税事務所などで土地の固定資産税評価額をかけて、算出します。(路線価地域内でも路線価が付されていない特定路線価もあります)
国税庁の路線価図では少々わかりづらい、と感じたら一般財団法人資産評価システム研究センターの全国地価マップも参考にしてみましょう。
なお評価倍率は、土地ごとに形状などを加味して設定されているため、路線価方式のような価格補正はありません。
宅地以外の土地がある場合は、それぞれの評価が必要
土地が財産として遺された場合、それが宅地とは限りません。宅地のほか、田んぼや畑などの農地、山林などで遺される場合もあります。
その場合は、田・畑・山林など、それぞれの地目ごとに評価の計算をし、特例により計算方法が異なる場合もあるため、詳細については確認するようにしましょう。
また農地などの特定の用途の土地については、特例により計算方法が異なる場合もあります。「農地を相続したらどうすればいい?手続き・税金・対処法などを解説」に詳しく記述していますので、ぜひ、ご覧ください。
家屋・建物の相続税評価額の計算方法
土地の評価方法については、やり方は分かっても、実際に計算するとなるとかなり煩雑、ということがわかりました。
それでは家屋や建物についてはどうなのでしょうか。
家屋・建物の評価額を知る方法は簡単!?
実は、建物の評価を知る方法は、地価の評価を知る方法よりも簡単なのです。
毎年私達は、自分が所有している家屋の評価額を知らされているのです。
建物の評価は、固定資産を有する人に毎年送付される、固定資産税の納税通知書に記されています。
固定資産税の納税通知書には、「価格」という欄があり、そこに金額が記されています。それが、固定資産税評価額、つまり建物の評価額になります。
家屋・建物の相続税評価額は、当該家屋・建物を被相続人自身が利用していたか、第三者に賃貸していたかなどにより異なります。
ここでは、以下の4つのパターンで解説します。
- 居住用家屋
- 賃貸アパート
- 借家
- 分譲マンション
居住用家屋
居住用家屋の場合、相続税評価額は固定資産税額がそのまま適用されます。
固定資産税評価額とは、固定資産税を決定する際の基準となる評価額で、各市町村(東京23区は各区)が、家屋の一つ一つを評価した価格です。基本的には各自治体の担当者が一つずつ確認して決定していきます。
一般的に家屋の評価額は経年劣化や建築費用の増減などが考慮されるため、3年毎に評価替えが行われ、徐々に評価額は低下していきます。
新築物件の場合、固定資産税評価額は建築費の60%程度が目安と言われており、そこから家屋の規模や構造、築年数などさまざまな要素により評価額が決定されることになります。
固定資産税評価額は、毎年送られてくる固定資産税の納税通知書に添付されている「課税明細書」に記載があるので、確認してみると良いでしょう。
参考:国税庁「No.4602 土地家屋の評価」
賃貸アパート
被相続人が賃貸アパートを所有していた場合、賃貸アパートの建物部分の相続税評価額の計算式は以下の通りとなります。
固定資産税評価額 ✕(1-借家権割合 ✕ 賃貸割合)
借家権割合は、2022年8月現在で、全国一律で家屋の評価額の30%と定められています。
賃貸割合とは、賃貸の対象となっている床面積の割合となっており、計算式からも賃貸対象の床面積が広いほど評価額は低くなることがわかります。
具体的な計算例として、固定資産税評価額が1億円、賃貸割合が30%の場合は以下の通りです。
固定資産税評価額 1億円✕(1-借家権割合 0.3 ✕ 賃貸割合 0.3)= 9,100万円
参考:国税庁「No.4602 土地家屋の評価(アパート等の貸家の評価)」
借家(人に貸し出している家屋)
被相続人が借家として、一軒家を賃貸してる家屋を所有していた場合、価値が下がる場合があります。
評価額は以下の通りです。
固定資産税評価額 ✕(1-借家権割合 )
賃貸アパートと異なる点は、一軒家を賃貸していた場合、賃貸割合が100%となるため、借家権割合を除いたものが評価額となります。
借家権割合とは
人に貸し出していると、すぐに売却することができません。
故人が自身で使用していた建物であれば、すぐに処分することができますが、そうはいかない貸出中の建物の場合、一般評価額よりも30%差し引くことが可能です。
借家権割合は一軒家の場合でも全国一律で30%(2022年8月現在)ですから、固定資産税評価額 1億円の家屋の場合は、上記計算式から評価額は7,000万円となります。
ただし、親族に無料で使用させていた場合や、市価よりもはるかに安い価格で貸していた場合は、借家とは見なされません。
参考:国税庁「No.4602 土地家屋の評価(アパート等の貸家の評価)」
分譲マンション
分譲マンションを所有していた場合の相続税評価額は、自己所有の相続税評価額と同様に、固定資産税評価額が相続税評価額となります。
分譲マンションの場合、ここはマンション一棟全体の評価額になるので、とんでもない高額が記されていることもあります。
そういった場合は、その隣にある課税標準額という欄に記されている金額が、一部屋分、つまり自分の部屋の現在の評価額になります。
建物は、新築を2000万円で購入したとしても、年数が経過し、家族が住宅を使用するうちに価値が下がっていきます。
そのため、固定資産税も年数の経過とともに下がってきます。年数が経過すると固定資産税は安くなって嬉しいものですが、相続の対象としては価値が下がっているのです。
自分の固定資産税納税書は、自分の手元に届きますが、親など被相続人の納税書については分からないことが多いですよね。
そこで、親子など近しい関係の場合は、税務関係の書類や納税書などをどこに管理しているのか、話し合ってお互いに知っておくことをおすすめします。
参考:国税庁「No.4602 土地家屋の評価」
不動産の評価を合法的に下げて、節税する方法
ここまで、土地や建物といった、不動産についての価値の評価方法をご紹介してきました。実は、不動産は、相続の約半数に達するというデータがあります。少しでも相続税を下げ、節税する方法についてもピックアップしていきましょう。
相続する不動産の評価を知り、合法的に評価を下げて節税へ
相続する不動産の評価を知ることで、相続税がどれくらいになるのかを把握することができます。いまや、相続財産の約半数が不動産と言われています。
特に現金の相続が少なく、売ることができない不動産の相続が多い場合、相続税がいくらになるのかはかなり心配ですよね。
そんな時は、相続に強い税理士に相談し、合法的に不動産の評価を下げる方法をチェックして、手を打ってみましょう。
また親など被相続人が元気なうちに相続についての話をフラットにできる関係性を築き、相続税節税のために今からできることを模索し、相続に強い税理士と話し合って不動産の行く末を決めておくことも大切です。