-
税理士紹介のプロ!
エージェントによるコラム -
知りたくても聞けなかった
他社の事例 -
ご相談分野
-
確定申告の依頼を
ご希望の方 -
相続税・贈与税に強い
税理士をお探しの方 -
実績・成功事例
-
税理士を探すのが
難しい理由とは? -
当エージェントの
強み -
当エージェントの
体制とメリット -
税理士費用について
-
よくある質問
-
全国の税務署・
商工会議所・
税理士会一覧 -
全国・都道府県別
税理士検索
相続税申告
公開日:2015/03/13 更新日:2023/03/03
相続税の申告期限を守るには?相続税の申告手続きや期限が過ぎてしまったときの対処法まで解説!
相続税の申告期限には様々なルールが存在します。
また、申告期限を守らなければ、ペナルティが課されることがあります。
そのため、期限が近くなると税理士への依頼に割り増し料金がかかることがあります。
一般的には申告期限の直前3ヶ月を切ると割り増しがかかることが多いと言われているので、早めに問い合わせを行い、手続きを行うことをお勧めします。
今回の記事では、その期限や申告手続き、期限が過ぎてしまいそうなときの対処法を紹介します。
相続税の申告期限は10ヵ月後
相続税の申告期間は10カ月以内と定められています。この10カ月間の開始日は、相続があることを知った日もしくは、相続人の死亡日の翌日です。例えば、11月15日にご家族がなくなり、相続の事実をその日に知ったとしましょう。すると、申請期限は翌年の9月15日になります。相続税の申告期限は日単位で計算するのではなく、10カ月後となるので、間違えないようにしましょう。
1日でも遅れてしまうとペナルティ(追徴金)の対象になります。ここでの注意点は、相続税の申告の期限と納付の期限が同じ日であることです。納付期限とは、相続税を実際に支払う期限のことなので、期限内に相続税の申告と支払い手続きの両方を行わなければいけません。
相続開始から相続税申告までの手続き方法
相続税の申告期限までの10カ月の間には、行うべきことがたくさんあります。ここでは、時系列に手続きに必要なことを説明していきます。
財産や債務、相続人を確認する
まず、行うべきことは財産や債務、相続人を確認することです。遺産の概要を把握して、相続を放棄するかどうかなどを検討する材料にします。また、相続人を確認するために、被相続人と相続人の本拠地から戸籍標本を取り寄せましょう。
相続放棄または相続財産の一部で負債を弁済する限定承認
財産や債務などを把握することができれば、それらを相続するか、相続放棄するか、を検討します。また相続放棄ではなく、相続をした財産の中から、一部を用いて負債を弁済する限定承認も選択肢の一つに含まれます。この手続きは家庭裁判所にて行いますが、相続放棄、限定承認のどちらの手続きも相続開始後、3カ月以内に行うように決められています。
早めに取り掛かるようにしましょう。
生前の所得に対する準確定申告
生前の所得に対する申告を準確定申告といいます。
これは申告期限の開始日から4カ月以内に行わなければいけません。
このときの所得は被相続人が死亡した日までの分を申告する必要があります。また相続した財産の中に事業の経営(事業承継)などがある場合には相続人が新たに青色申告をする必要があります。これは4カ月以内に行うように定められています。
遺産や債務の調査・評価
遺産や債務の調査と評価を行います。評価が終われば、遺産を分割する場合は遺産分割協議書の作成を行います。このとき、相続人全員分の実印と印鑑証明が必要となり、総じて、それらの準備には非常に時間がかかるので、注意しましょう。その後、相続税申告書の作成を行います。相続税申告書を作成するときには、納税資金についても検討しておきましょう。
遺産の名義変更
遺産の名義変更を行っていきます。名義変更は事前に作成した遺産分割協議書のとおりに順次変更していきましょう。特に不動産の相続は申告書類を多数必要としますので注意が必要です。詳しくは生前贈与された不動産、損をせずに売却するために知っておきたいことを御覧ください。
相続税の申告と納付
最後に相続税の申告書を所轄の税務署に提出します。このとき、納税を一緒に済ませて相続税の申告と納税は完了です。この手続きを申告期間の開始日から、期限の10カ月後までに行う必要があります。
期限を守るべき理由
相続税の申告期限は10カ月後であるにも拘わらず、大量の手続きがあることを理解してもらえたと思います。相続人の都合によっては、期限内に手続きを済ませることが難しいことがあるでしょう。それでも期限を守るべきなのでしょうか?
ここでは、申告期限を守らなくてはいけない理由やそのメリットを紹介していきます。
相続税の特例の適用を受けるため
相続税の税額は特例によって軽減することができます。
例えば、小規模宅地等の特例や農地の納税猶予などです。これらの特例は条件さえ満たせば利用することができ、大幅に相続税額を軽減することができます。しかし、申告期限を守らなければ、このような特例を利用することができなくなります。
そのため、特例を受けられるようにすることは、申告期限を守るべき理由の1つとなるでしょう。
期限後申告をした場合にかかる加算税を払わないため
申告期限を守らずに相続税を申告することは可能です。しかし、その場合には無申告加算税が適用され、さらに多くの相続税額を払う必要があります。無申告加算税は正当な理由がなく、申告期限内に申告ができなかった場合に課税されます。申告期限が過ぎていても自主的に申告を行えば、納付した額税額の5%をペナルティ(追徴金)として払います。一方で、税務署の指摘によって、期限後に申告をした場合には、故意とみなされ、さらに多くの追徴金として、15%を納税する可能性が生じます。このような事態を避けるためにも、申告期限を守るべきだと言えます。
期限を過ぎてしまったときのペナルティ(追徴金)について
申告期限が過ぎてしまった場合や適切な手続きに従って申告されなかった場合には追徴金が存在します。あらゆるケースに応じた、それぞれの追徴金についてみていきましょう。
無申告加算税・延滞税
相続税の申告期限を守らなかった時の追徴金の1つとして無申告加算税と延滞税が存在します。延滞税は期限が過ぎた後に相続税を給付した場合、課税される税率は一概には決まっておらず、年度によって変動します。
その他の追徴金及び加算税(過少申告加算税・重加算税)
その他にも追徴金が発生します。詳しくは「節税と脱税は何が違うのか。脱税の罰則もまとめました。」の記事を御覧ください。
期限を過ぎそうになってしまった場合の対処法
申告期限を守るべきだとわかっていても、どうしても守れなくなるような事態があるでしょう。今回は2つのケースを想定して対処法を説明していきます。
期限までに遺産分割が決まらない
相続の手続きの中には遺産分割協議書を作成する必要があります。
このとき、遺産分割が期限内になかなか決まらず、時間を要するときがあるでしょう。しかし、申告期限を延長することはできません。そのため、この場合には民法が定めている法定相続分によって仮に相続をした「未分割申告」という形式で申告を行います。これは仮の申告となり、配偶者の税額軽減や小規模宅地の特例を適用されることはありません。
これらの特例を利用するには、遺産分割が正式に決まったあとに再度税務署に申告をしましょう。このように遺産分割が決まらず、期限を守ることが難しい場合には、仮の申告を行って、期限を守るようにしましょう。
期限までに財産目録が完成していない
相続税の申告手続きには財産の評価を行い、財産目録を作成する必要があります。評価に時間がかかり、申告期限を守ることが難しい場合の対処法は2つあります。1つ目は財産目録が完成してから期限後申告を行うことです。この場合、追徴金を納付する必要があります。2つ目の対処法は、概算で財産目録を作成し、期限内に申告をすることです。この場合、期限後に自主的に修正申告を行えば問題ありません。しかし、税務署に指摘される方が早かった場合には過少申告加算税などの追徴金が課される可能性があります。
両方の対処法では、追徴金を逃れることが難しいです。
そのため、申告期限をどうしても守ることができない場合には、追徴金の額が少なくなる方法を比較検討することをお勧めします。
期限を守れない特段の事由がある場合
申告期限を守れない場合には前述したように無申告加算税が課されます。しかし、無申告加算税か課されるのは、正当な理由がなく期限を守れなかった場合です。そのため、別途申請が必要となりますが、申告期限を守れなかった正当な理由があると判断される場合には、この追徴金を課されることはありません。今回は3つのケースが無申告加算税の適用に当たるのかを検討していきます。
死亡日が特定出来ないとき
被相続人が孤独死をしてしまった場合や、災害などで時間が経ってから死亡が確認された場合には死亡日は特定できないということがあるでしょう。その場合には、戸籍上の死亡日もしくは戸籍上の最終日が基準になります。例えば、戸籍上の死亡日が令和2年12月ごろ死亡となっていれば、令和2年12月31日、推定令和3年1月10日死亡とされていれば、令和3年1月10日が死亡日になります。そのため、その死亡日の次の日から10カ月後が申告期限になります。このことから、死亡日が特定できなかったということは、期限を守れなかった正当な理由にはなりません。
申告期限が土日祝日
申告期限の最終日が土日祝日で税務署が開いておらず、申告期限を守れなかったという場合があるでしょう。この場合に申告期限を守れなかった正当な理由として認められません。なぜなら、申告期限が土日祝日であった場合の申告期限はその翌日以降の営業日になるからです。そのため、その新たな申告期日を守らなければ、無申告加算税が課されます。
災害などやむを得ない理由(コロナ禍)で延長されることもある
災害その他やむを得ない理由により、申告、申請、請求、届出その他書類の提出、納付又は徴収に関する期限までにこれらの行為ができない場合に期限延長の申請が可能です。ちなみに今回のコロナ禍も同様で、相続人の一人が新型コロナウィルスに感染した場合は期限の延長が認められています。延長期間は2カ月で、延長をするための手続きをしておく必要があります。延長の手続きを行わずに申告期限を守らなければ、無申告加算税が課される可能性があるので、注意しましょう。
まとめ
今回の記事では相続税の申告期限に関するルールやペナルティ(追徴金)、手続きについて紹介をしてきました。申告期限が近づくと税理士への依頼料金が割り増しになる可能性があります。それを避けるためにも早めに税理士に依頼をしましょう。そうすることで精神的にも時間的にも余裕が出るはずです。依頼に抵抗がある方はまずは相談してみることをおすすめします。