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相続税申告

公開日:2019/10/28 更新日:2023/03/03

初めての相続対策!今、行うべきこと

2015年に相続税が増税されました。その関係で、今まで相続と相続税には無関係とされていた人にとっても、相続税が課税されてしまう可能性がでてきたのです。相続と相続税、同じように聞こえますが、細かいところでは違います。

その違いは何か、そして決して他人事ではなくなった相続と相続税について、初めて対策をしようと考えた人に対して、簡単に解説したいと思います。


相続と相続税の違いについて

土地や建物のような不動産や多額の現金と言った財産を所有している人が亡くなり、その後にその人が所有していた財産を遺族の方々が引き継ぐことを相続と言います。
そして、その引き継がれた財産に課税される税金を相続税と言います。

相続税は相続税法と言う法令により様々な規定があります。相続は主に民法によって細かく規定されています。それでは、相続と相続税の決定的な違いは何かと言いますと、相続税法の規定により財産の金額が一定額を超える場合に相続税が課税されることになっているのです。つまり相続は誰にでも発生するものですが、相続税はある金額以上の財産を所有している人以外には課税されません。
ここが大きな違いです。では、何故相続対策をしなくてはいけないのでしょうか。それは、財産を引き継ぐ際に引き継ぐ人達の間で揉めることが多いからなのです。そういった揉め事を相続が始まる前に回避するためにも、準備が必要となります。それが相続対策となるのです。因みに一定額については後程解説します。

相続対策のはじめの一歩(相続人の確定)

最初にすべきことは、相続人の確定です。相続人とは相続税法に規定されている、亡くなった人の財産を引き継ぐ人のことです。方法は亡くなった人(被相続人と言います)の戸籍謄本を生まれてから亡くなるまでの分を揃えます。もし被相続人が引っ越していて本籍地を変更していたら、変更前の本籍地の戸籍謄本も必要になります。幾つかの役所や役場を行き来するため平日でしか対応できませんし、1~2ヶ月程度時間もかかります。

何故相続人の確定が必要かと言いますと、誰にどの財産を幾ら引き継がせるかが非常に重要な案件であり、相続に関するトラブルの殆どは誰に幾ら引き継がせるかが原因となっているためです。

また、前述した一定額は相続税が課税されないというその一定額のことを基礎控除額と言います。基礎控除額とは「3000万円+600万円×法定相続人の数」となっています。法定相続人とは民法と相続税法に規定される相続人のことですが、相続人が確定できないと、基礎控除額が算定できませんので、相続税が課税されるのか非課税になるのかという最も重要な判断ができなくなってしまうのです。その為に相続人の確定は、最初に行う対策となります。

何を幾ら持っていたのかを調べます(財産・遺産の確定)

財産と言っても不動産や現金預金、株式等の有価証券と多岐に渡ります。そして、相続は不動産等のプラスの財産だけではなく、住宅ローン等のマイナスの財産も引き継がなくてはなりません。引き継ぐべきプラスの財産とマイナスの財産について、何を幾ら持っているのかを調べます。これが、次の対策となります。

具体的には預金については、通帳を記帳しておくか、金融機関に残高証明書の発行を依頼すれば充分です。現金は手持ちの残高となります。株式等は、購入した証券会社等にて相場を調査して貰います。不動産については、権利書や市町村にて発行して貰える名寄帳で調べます。住宅ローンですが、金融機関やローン会社に残高を確認して貰えます。

誰がどの財産を幾ら引き継ぐか話し合います(遺産分割協議)

相続人の誰がどの財産を幾ら引き継ぐかを相続人同士で話し合います。相続人全員が揃わないと、法的に無効となってしまいます。この話し合いのことを遺産分割協議と言い、話し合いが無事終わったら、その内容を書類に記入します。記入後に相続人全員がその書類に署名捺印します。その書類のことを遺産分割協議書と言います。この話し合いで誰がどの財産を幾ら引き継ぐか決定すれば、その段階で相続の手続きは終わりとなります。

また、遺産分割協議はどうしても揉めてしまうことが多いのですが、協議前に揉め事を解決するためにできることがあります。
何れにしても生前の対策になりますが、遺言書やエンディングノートを作成し、意思表示をしておくのも解決策の一つです。他には生前贈与と言って、亡くなる前に所有している財産を相続人に無償で贈与することなのですが、解決策としては非常に効果的な面がある一方で、財産の評価や法的手続き等、専門的知識が無いと対応ができない面があります。その場合は税理士に相談し、一緒に解決策を練っていくことをお勧めします。
付け加えますが、遺言書を作成していた場合ですと、その遺言書が法的に有効であるならば、遺産分割協議を開催する必要はありません。遺言書に記載されている内容のとおり、財産を引き継ぐことになるのです。
何故かと言いますと、法的には被相続人の遺志が優先されるためです。遺産分割協議は遺言書が無い場合に開催するのです。

相続する財産の評価額が一定以上の場合は相続税対策も必要

財産の金額が前述の基礎控除額を超える場合には、当然相続税が課税されることになります。相続税法上様々な規定がありますが、一定の要件を満たせば相続税が減額される規定もあるのです。このような規定を用いて税額を軽減することを節税と言います。
また、基礎控除額を下回っていた場合、相続税は課税されませんが相続そのものは発生します。相続が発生すれば、揉め事もありますし、二次相続や事業承継と言ったような他の諸問題も発生し、多くの人達が悩むことになります。このような場合、一人またはご家族のみで悩まずに早目に税理士に相談し、早期解決を目指すことをお勧めします。

本記事の執筆者

税理士紹介エージェント 編集部

2012年から10年以上、税理士紹介エージェント を運営し、最適な税理士をご紹介する中で お客様からよく寄せられる疑問や税務に関するコツ、最新の税制改正情報など、幅広く税に関するお役立ち情報を提供しています。

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